上橋菜穂子『獣の奏者 3<探求編> 4<完結編>』 [読書]
<探求編>あの“降臨の野”での奇跡から十一年後―。ある闘蛇村で突然“牙”の大量死が起こる。大公にその原因を探るよう命じられたエリンは、“牙”の死の真相を探るうちに、歴史の闇に埋もれていた、驚くべき事実に行きあたる。最古の闘蛇村に連綿と伝えられてきた、遠き民の血筋。王祖ジエと闘蛇との思いがけぬつながり。そして、母ソヨンの死に秘められていた思い。自らも母となったエリンは、すべてを知ったとき、母とは別の道を歩みはじめる…。
<完結編>王獣たちを武器に変えるために、ひたすら訓練をくり返すエリン。―けっしてすまいと思っていたすべてを、エリンは自らの意志で行っていく。はるか東方の隊商都市群の領有権をめぐって、激化していくラーザとの戦の中で、王獣たちを解き放ち、夫と息子と穏やかに暮らしたいと願う、エリンの思いは叶うのか。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、“災い”が、ついにその正体を現すとき、物語は大いなる結末を迎える。
今年いちばん、心揺さぶられた物語だと思います。
本編に深く関わっている感想なので未読の方はご注意を。
わたし、これまで2回、2冊とも同時に受け取って、どちらとも読めないまま返却してました。 彼女たちの行き着く先をどこかで予感していて、こわくて読めなかった。
けどやっぱり、どうしても読みたくてアニメも最終回まで数話を残しているし、上橋さんの言葉も気になっていたので、後押しされる形で3回目の今回でようやく読みました。もちろん、3・4巻一気読み。 どうしても止まらなかったよ!!
探求編は、ずっと涙ぐみながら読んでいたような。 母親のソヨンに思い馳せる場面や、<闘蛇編><王獣編>で馴染み深い人達を思い出させる場面がいくつもあって。 エリン自身も母になり、だからこそソヨンと自分を重ねて見ている姿に、感慨深かったです。
けれど、ソヨンとエリンを重ねて見ることは、今後エリンの人生を左右することでもあって。
逆に完結編はあまり涙を流さなかったかも(最後は置いといて)。 涙が枯れたってわけではないけれど、腰を据えたというか、行く末を見届ける覚悟がようやくできたというか。
厳しい道しか残されていないのか・・と半ば絶望しながらも、最後までエリンと彼女を繋ぐ者たちに希望を見出そうとしました。
もっともっと言いたくて……ああもう、文章が感情に追いつかないよっ。
この物語に出会えて、よかった。それだけは言いたい。
ほんとに素晴らしい物語でしたね~。
最後はああなるしかなかったし、ベストだったんだろうなぁ。
頭じゃわかってるけど、もっとエリンにジェシにイアルに幸せな時間をあげたかったなぁ~。
物語としても面白かったし、1人の母としてもいろいろ考えさせられる物語でした。
ミナモさんの文章を読んでたら、思い出してじわ~んとしちゃったよ~;;
by sherry (2009-12-10 10:54)
>sherryさん
今も、少しでもこの物語を思い返すだけで涙が出てきそうになってしまって;
そうなの。理解できるんだけど、感情が追いつかないんだよ…。
エリンの望みは半分叶った・・のかなぁと思うと、複雑です。
将来、わたしが母の立場になったときに、もう一度読み返そうと思える物語ですねぇ。その時はまた感想が違うかもしれないw
うわぁ、ありがとうございます! 私もめずらしく自分の文読んで少しグラついてしまった(ぇ
by ミナモ (2009-12-10 21:09)
~獣の奏者~
メチャクチャ面白かったです!!
けど、ちょっと最後切なかったですね♪
アニメも、面白かったです☆
by yuuki♪ (2010-08-02 22:26)
>yuuki♪さん
はじめまして。面白かったですよね!
最後は切なくて苦しくて、でも良かったって思いがありました。
アニメも子どもから大人まで楽しめる仕様になってますよね。
by ミナモ (2010-08-05 20:39)