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北村薫『六の宮の姫君』 [読書]

思えば、この本読みたくてシリーズ最初から読み始めたんだっけ。

 

六の宮の姫君 (創元推理文庫)

六の宮の姫君 (創元推理文庫)

  • 作者: 北村 薫
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 文庫

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。「あれは玉突きだね。…いや、というよりはキャッチボールだ」―王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、「私」の探偵が始まった…。

このシリーズを読んでいると、流れる”時”を嫌でも感じてしまうなぁ。
1巻時点で大学1年生だった「私」も、この巻にてもう最高学年。卒論や就職、の話が出ると、もうそんなに時が過ぎたんだなあと思わずにはいられません。

今回のメインは芥川龍之介。 前巻で芥川への執着を見せた「私」が、卒論制作で彼の作品を取り掛かるに当たって様々な作品を挙げているんだけど、――わたし、『羅生門』『鼻』ぐらいにしか聞き覚えがなくて、今回ほど「私」とわたしの間にある差の歴然に愕然ときた。 ただ読むだけではなくて、その作品の背景までも細かく分析しているのを見て、「私」との差を見せつけられたわー。 追いつける自信はなかったけれど、でも彼女の読書量、知識、ハンパない。

「私」と一緒に、故人たちがかつて何を想い作品を残したのかを追いかけ、思い馳せる。なかなか珍しい体験をしました。


って、あと1冊でこのシリーズも終わってしまうなんてちょっと!!
かなしいかなしいもっと読みたい。最後がどんなお話なのか、とってもたのしみ。


タグ:北村薫
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アイスっこ

私も次は,この本です。
一気に読んじゃうのがもったいなくて
今ちょっと寄り道中です。
このシリーズを読んでいると,
野菊の墓とか大地とか
あれこれ読み返したくなる本が
ありますね。
by アイスっこ (2009-12-16 18:13) 

ミナモ

>アイスっこさん 
わたしもいま、残り1冊となってしまったので貧乏性か、いろいろと寄り道をしておりますー。笑
でもそろそろとりかかろうかな。。
ああ!読みたくなります読みたくなります!!
けどあっとうてきに一度読んだものより「まだ読んでないけど読みたい」作品が多いのが…「私」との差をつきつけられて凹むというかなんというかごにょごにょ・・・ww
by ミナモ (2009-12-19 10:37) 

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