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時雨沢恵一 『キノの旅 13 ―the Beautiful World』 [ライトノベル]

キノの旅〈13〉the Beautiful World (電撃文庫)

キノの旅〈13〉the Beautiful World (電撃文庫)

  • 作者: 時雨沢 恵一
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2009/10/10
  • メディア: 文庫

「何だ?」キノが『フルート』を構えてスコープを覗いて、今いる丘の上から地平線を見下ろします。しばらくして、ようやくそれが何か分かりました。大量の土煙を生み出していたのは、大地を埋め尽くすような大型動物の大群でした。大きく太い体と頑丈そうな四肢を持つ、鈍い灰色をした草食動物です。「この辺に住むサイの一種、だね。水が欲しくて集団で移動中なんだよ」エルメスが言いました。灰色のサイの群は、何千頭、または何万頭いるのか分かりませんが、濁流のような密集度と勢いで大地を進んできます。その進む先には―「あ…」『フルート』を向けたキノが、声を漏らしました(「この世界の話・b」)他全11話収録。

1年ぶりの「キノの旅」シリーズ(⇒前巻の感想)。

いつも通りといってはあれだけど、不条理な”世界”を淡々と描いてるこのシリーズ、結構やみつきになっていたりw 買いたいほど読みたくなるわけではない、けど1回は読みたい位置にあります。
カラーページは師匠と背の低い美男子のページが好き。夕暮れ時の景色、と人の”死”についての会話。

以下お気に入りを抜粋。

 

「この世界の話 a・b」…やられた。そうだよ、キノってこういう性格だったじゃん。そうかー、aを読むとbで感じたことが滑稽に思えるよ。

「昔の話」…”旅人”の中だと、師匠・弟子の組み合わせが大好き。軟派な男性とクールで冷酷(優しさもちょこっと)な女性。―一番残酷で、気まぐれに優しいところを見せるから好きなのかも。 この話も最後で救われてよかった、ような?

「旅人の話」…挿絵はこれが一番好き。 静かな森の中にある湖。水面から出ている十字架。 ”いっしょならどこでもいい”のティーの台詞にしんみり。

スペシャル収録「いろいろな話」…男性陣が可哀そうなことに(といっても”人”はシズしかいないけど)。 「シズです!シズです!シズです!シズです!シズです!」必死すぎだ。 醒めたあとの世界は優しくて、残酷だな。


タグ:時雨沢恵一
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