『告白』 [読書]
●あらすじ●愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
これがデビュー作…?、第1章「聖職者」のみで第29回小説推理新人賞を受賞するとは…読む前からこんなスゴイことを聞かされていたのですごくドキドキしながら読みました。
なんという、おぞましい物語。
全てにわたって澱んだ空気が流れているよう。
狂っている。歪んでいる。瘴気に当てられそう。
救いなどどこにもなく、最後の最後まで爆弾を落としてくださいました。
人の悪意が話が進むごとに溢れていくを感じてぞくぞく。
第1章全てが先生の”告白”。これ、想像するとかなりコワイ。
転じて、クラスメイトの一人、加害者の親、犯人の少年たち、そして…と視点が変わっての一人称の語り。こういう構成もコワイ。
最近読んだ少年犯罪ドキュメンタリーものを嫌でも思い出してしまった。
少年犯罪に対する罰の与え方。
登場人物全員が狂っているように見えるのだけど、でもこの人たちが行ったこと、実際に起こる可能性は無きにしも非ずって感じじゃないのって思ったり。特にクラスメイトの異物を排除するのは、習性なのかもしれないと半ばあきらめ混じりで読んでました。それにしても、純粋な悪意ほど厄介なものはないんですね。
読後感も爽やかでないし、むしろ後味が悪い。
だのに、途中手を止めることができずに一気読みしてしまった><;
面白い…というより、悪意というかマイナスの感情に惹かれて読みふけました。
湊さん、チェック。来年からも早速1月に新作、更に来春にまた1冊出るようで(ダ・ヴィンチより)。今後どんな話を読めるのか楽しみです!
★★★★☆(悪意に魅せられた)
◆リンク
→『僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真相』
この週末買ってきました☆
せめて年内には読みたいと思っています^^v
楽しみだな♪
by Betty (2008-12-09 09:43)
面白そうですが、気分的にリアルに鬱になりそうなので手を出しづらいですね。
ちょっと毛色が異なりますが、歌野晶午の”世界の終わり、あるいは始まり”という作品が少年犯罪を珍しい切り口で描かれてます。ちょっとお勧めだったりします。
by おどんとグリフス (2008-12-09 21:25)
>Bettyさん
わたしも買えばよかったかも、と少し後悔。文庫落ちを待ちます★w
読み始めたら止まらなくなりますよ♪
感想楽しみにしてまーす^^*
niceありがとうございました✿
>秋月あきねさん
>七瀬さん
niceありがとうございました✿
by ミナモ (2008-12-09 23:26)
>おどんとグリフスさん
そうですねぇ、少し鬱っていてもこれを読めば絶賛鬱にハマってしまうと思いますw わたしにとっては悪意が凄くて、ズルズル気分が引きずられていきました。。。
歌野晶午さんといえば、『葉桜の季節に君を想うということ』でその名を知りました。まだ1冊もこの人のは読んだことがないので、チェックしてみまーす★
by ミナモ (2008-12-09 23:29)
>kaz777さん
niceありがとうございました✿
by ミナモ (2008-12-10 08:41)